銕仙会の面干し
銕仙会の面干し
毎年7月ごろに銕仙会では年に一度の装束や能面の虫干しが行われる。
この時に装束を総点検して、ほころんだものを観世さんご一家の皆様と、
お手伝いの有志の方たちで修復している。
装束も少しだけのほつれのものや、かなり大々的に直さなければならないもの、
難しいものやいろいろあって、唐織の素晴らしい装束などが修理にきている。
私も以前ちょっとだけお手伝いでお針子さんになったことがあった。
今までほんの少々お茶を濁す程度のお手伝いしかしたことがなかったので
何も戦力にならない感じだったけれど。
最近は、裁縫等の腕に憶えのありそうな、お手伝いの方が沢山ヘルプで参加。
一週間の間、舞台の裏側で唐織や水衣、大口や鬘帯、面袋、その他さまざまな修理が
必要なものをそれぞれが担当して修繕をなさっている。
一週間の虫干しの最終日28日は面干し。
室町期からの重文の面から最新作までの面が能楽堂内に並び、それは壮観。
銕仙会所有の名物面「蛙」も虫干しで出ている。
面干しは、もし傷んでいる面があり修復が必要な場合のチェックもあるが
演者がシテとして演能するときに借用できる面のチェックもあると聞いている。
この日は当主の観世銕之丞さんをはじめ中堅若手の能楽師の方が一日忙しく
立ち働いていられる。
通常紋付袴姿の能楽師の方がTシャツ短パン手ぬぐい姿なのが何か楽しい。
さまざまな能面は何年見ても何回見ても常に新しい感動がある。
どの面も、一応は「使用可」というのがすごい事だと思う。
でも重文の面などは、写しを使うのでなかなか舞台でお目にかかれることはない。
しかしながら多分特別な会での公演となったら使用されることもあるはずだ。
美術館に収容されている面は、ほとんどがもう「使用不可」なのでもったいない
と思うことがある。
舞台で見たらさぞかしと思うような素晴らしい面も、もう日の目をみることはない。
面としての機能を停止してしまっているわけだ。
でも銕仙会にある面は、常に舞台での使用ウエイテングの状態なので「生きている」のだ。
面すべてがスタンバイOKなので、面自体もうかうかとしていられない(笑)。
だから生き生きとして感じるのだろう。
面の中には「弱法師」「頼政」といった専用面がある。
専用面とはその曲を演じる時に使用するということで、「弱法師」という面は
盲目の青年法師の面だ。
目のところを横に細く切ってある為、観客席から観ていると、見えないのではと
思って心配してしまうが、かえって他の面より見通しが良いというのが面白い。
銕仙会の女流能楽師鵜沢久さんより、翌29日「弱法師」のシテをなさるとのことで
お知らせお招きいただいた。
ワキ、アイ、囃子方以外は謡も女流能楽師が務めるとのことで。
能の世界では、女流能楽師は不遇な時代もあったと思うが、昨今では演能の
機会も増えてきているようで嬉しく思った。
この日は鴻池朋子さんが芸大後輩の建築科の方たちと一緒にいらして、舞台上の
面をとても熱心に見学を。
そういえば作品の中に微妙に変化していく能面のアニメーションが含まれていた。
先日アーテイストトークを拝聴し、同日素晴らしい「インタートラベラー神話と遊ぶ人」の
作品展を見たばかり、ご挨拶ができてよかった。
昨年に引き続き二度目の面干しにいらしたとのこと。
冷えた感じの美しい「増」をはじめ、好きな面は多いが、ずーっと見続けていると
入我我入に近いような感覚に囚われてしまう。
なんせスタンバイしている生きた面なので、何ごとか語りかけてくるような場合がある。
面干しの邪魔にならないよう気を遣いながらも、この面であの曲を観たいなとか、
いろいろ想像しながらの時を過ごすことができて楽しかった。
毎年7月ごろに銕仙会では年に一度の装束や能面の虫干しが行われる。
この時に装束を総点検して、ほころんだものを観世さんご一家の皆様と、
お手伝いの有志の方たちで修復している。
装束も少しだけのほつれのものや、かなり大々的に直さなければならないもの、
難しいものやいろいろあって、唐織の素晴らしい装束などが修理にきている。
私も以前ちょっとだけお手伝いでお針子さんになったことがあった。
今までほんの少々お茶を濁す程度のお手伝いしかしたことがなかったので
何も戦力にならない感じだったけれど。
最近は、裁縫等の腕に憶えのありそうな、お手伝いの方が沢山ヘルプで参加。
一週間の間、舞台の裏側で唐織や水衣、大口や鬘帯、面袋、その他さまざまな修理が
必要なものをそれぞれが担当して修繕をなさっている。
一週間の虫干しの最終日28日は面干し。
室町期からの重文の面から最新作までの面が能楽堂内に並び、それは壮観。
銕仙会所有の名物面「蛙」も虫干しで出ている。
面干しは、もし傷んでいる面があり修復が必要な場合のチェックもあるが
演者がシテとして演能するときに借用できる面のチェックもあると聞いている。
この日は当主の観世銕之丞さんをはじめ中堅若手の能楽師の方が一日忙しく
立ち働いていられる。
通常紋付袴姿の能楽師の方がTシャツ短パン手ぬぐい姿なのが何か楽しい。
さまざまな能面は何年見ても何回見ても常に新しい感動がある。
どの面も、一応は「使用可」というのがすごい事だと思う。
でも重文の面などは、写しを使うのでなかなか舞台でお目にかかれることはない。
しかしながら多分特別な会での公演となったら使用されることもあるはずだ。
美術館に収容されている面は、ほとんどがもう「使用不可」なのでもったいない
と思うことがある。
舞台で見たらさぞかしと思うような素晴らしい面も、もう日の目をみることはない。
面としての機能を停止してしまっているわけだ。
でも銕仙会にある面は、常に舞台での使用ウエイテングの状態なので「生きている」のだ。
面すべてがスタンバイOKなので、面自体もうかうかとしていられない(笑)。
だから生き生きとして感じるのだろう。
面の中には「弱法師」「頼政」といった専用面がある。
専用面とはその曲を演じる時に使用するということで、「弱法師」という面は
盲目の青年法師の面だ。
目のところを横に細く切ってある為、観客席から観ていると、見えないのではと
思って心配してしまうが、かえって他の面より見通しが良いというのが面白い。
銕仙会の女流能楽師鵜沢久さんより、翌29日「弱法師」のシテをなさるとのことで
お知らせお招きいただいた。
ワキ、アイ、囃子方以外は謡も女流能楽師が務めるとのことで。
能の世界では、女流能楽師は不遇な時代もあったと思うが、昨今では演能の
機会も増えてきているようで嬉しく思った。
この日は鴻池朋子さんが芸大後輩の建築科の方たちと一緒にいらして、舞台上の
面をとても熱心に見学を。
そういえば作品の中に微妙に変化していく能面のアニメーションが含まれていた。
先日アーテイストトークを拝聴し、同日素晴らしい「インタートラベラー神話と遊ぶ人」の
作品展を見たばかり、ご挨拶ができてよかった。
昨年に引き続き二度目の面干しにいらしたとのこと。
冷えた感じの美しい「増」をはじめ、好きな面は多いが、ずーっと見続けていると
入我我入に近いような感覚に囚われてしまう。
なんせスタンバイしている生きた面なので、何ごとか語りかけてくるような場合がある。
面干しの邪魔にならないよう気を遣いながらも、この面であの曲を観たいなとか、
いろいろ想像しながらの時を過ごすことができて楽しかった。
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